数日後、私は白い封筒を持って、マンションから東へ三筋ほど行った所にある大家の家に行ったのです。
大家の家は、塀に囲まれた日本家屋の大きな家でした。
“ うわっ、でかい!”
大きな冠門に付いているインターホンを押すと、返事も無くいきなり門の横に付いている通用扉から、黒い服を着たおじさんが顔を出しました。
「 何?」
「 あの、新しくマンションに入りましたので、ちょっと挨拶に・・・。」
「 そう。」
私は通用門から家の玄関まで案内され、これから大家さんに取り次ぐからここで待てと言われました。
しばらく待つと、おじさんが玄関に戻って来て、広い家の中の応接室に案内されました。
掛け軸の掛かった床の間のある和室で、花梨の机を前にして座布団に座って大家を待ちました。
“ どうも、広過ぎて居心地が悪いな・・。
あれっ?”
一瞬、横を向いた時、黒い影が戸の隙間をフッと横切った気がしました。
しばらくそちらを見ていたのですが、シーンと静かで気配がありません。
“ 気のせいかな・・。”
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