闇1 

    闇


 白い封筒が一つ、ポストに入っていました。
封筒は糊付けされ、表裏何も書かれていませんでした。

「 何かの連絡だったら、私の名前が書いてあるだろうし・・。
 前の住人のものかな?
 大家さんに渡して、届けて貰った方が良さそうだ。」

 私は、マンションの一階の壁に設置してあるポストから封筒を取り出し、三階にある自分の部屋まで持って来ました。
そして、取り敢えず封筒を机の引き出しの中に放り込みました。
それは、あのマンションに引っ越して来て、10日目のことでした。

 私は、試験機を作っている会社に勤めて3年目になります。
勤め始めた1年目は、通勤だけで1時間半も掛かるマンションに住んでいました。
そこから通勤をしていたのですが、毎日通っていると通勤する事だけでも疲れを感じ、2年目の4月に引越しをすることにしたのです。
 それで、次に引越した2番目のマンションは会社から私鉄で2駅のところにあり、駅からの通勤時間も30分以内で場所的に良い物件でした。
その上、そのマンションは駅から近く、5階建ての3階で、部屋は2DKもあり、家賃は周囲と比較しても安い方だったと思います。
 でも、住んでいたのは1年間だけです。
今は、家賃が高く、通勤時間も以前より長く掛かる3番目のマンションに住んでいます。
 白い封筒が入っていたポストは2番目のマンションのポストで、そこに住み始めた私は、それを当初、以前の住人に宛てたものだと思っていました。




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[ 2008/06/04 21:05 ] | TB(0) | CM(0)
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