部屋に戻って来ました。
リビングに入って、直ぐに、私は博美に言いました。
「 チョコ、食べたいでしょう。
バレンタインのチョコ、あげるから、食べよう。」
「 うん、私もチョコ、持ってくる。」
私は、台所に置いてあった義理チョコを取りに行きました。
博美は、子供部屋に義理チョコを取りに走りました。
そして、リビングの入り口で、私は博美とチョコの交換をしたのです。
「 それじゃ、チョコ、渡すね。」
「 私も。」
同じチョコの交換です。
そう、同じチョコを交換したことが前にもあった。
私は、リビングの扉の前で突っ立ったまま、博美のくれたチョコを手に持って見ていました。
そうです、俯いてチョコを見ながら、しおりちゃんのことを思い出していたのです。
“ あの時、箱を落としていなかったら・・・。”
博美の近寄って来る足元が、眼の端に見えました。
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