次の日、入院している父に家族で会いに行きました。
そして、引越しの話を父に言いました。
今まで起こったことを話して、どうしても引越ししたいと言ったのです。
父は、了承しました。」
「 引越しを決断するのは、お父さん、重かったと思いますが。」
「 そりゃ、小さい頃から住んでいた家だから、愛着はありますよ。
でも、私も不安を感じていましたし、話を聞いて、私の次に家族が
次々と病気になるのは困りますからね。
その頃、私の病気は、一進一退でなんとか小康状態だったんです。
まあ、私の命があるうちに家族を守るため、引越しすることにしたん
です。」
「 父の許可も出たので、引越し先を大急ぎで探しました。
ちょうど、この分譲地が売り出し中だったので、県庁所在地も近い
し、ここにしました。」
「 家を建てるまで、時間がかかったのではないですか?」
「 ええ、そうです。
でも、引越しを早くしたかったので、不動産屋に仮住まいの貸家を紹
介してもらうことにしました。
いったん、引越しを決めたら、一刻も早く出たいと思うようになった
のです。
私の金縛りも続いていましたからね。
この分譲地を扱っていた不動産屋の関連会社の手持ちの貸家が空い
ていたので、とりあえず身の回りの物を持って入りました。
そして、二世帯住宅で、大急ぎでここに家を建てたんです。
不動産屋も商売ですから、無理を言っても聞いてくれました。
それから、家を建てている間に、旧家の家財を処分しました。
古道具屋さんに来てもらって、引き取ってもらいました。
言われたように、ほとんどの物を処分しました。
もちろん、ここには入り切らないし、それに、ひょっとしてあれが付
いてきたら嫌ですからね。
先ほど話した人形も真っ先に処分しました。
生活用品は出来る限り新しいものを買い揃えました。
それで、新しい家が出来て、引越しをする日、最後に神棚を外したん
です。
☆奇妙な物語HOMEページに戻る。
奇妙な物語HOMEページ