法螺は、後で担任に呼び出されてこっぴどく怒られた。
その呼び出された場に、俺も同席していた。
法螺も俺も正直に出来事の話をしたのに、担任は話の内容に激怒してしまった。
まあ、霊がいたからなんて言っても、誰も信じる筈が無い。
それでも、最後まで、法螺は黒くって丸い物が見えたと言い張った。
俺は、黒くって丸い物は見えていなかったが、付き合いで同じ事を言って法螺を弁護した。
担任は延々と法螺だけで無く、俺にも説教した。
俺は参考人で呼び出されたのに、職員室で2人並んで担任と向かい合っていたから他の先生から、俺も同罪で怒られているように見られた。
実際、後で聞くと、俺が法螺を唆したと言う尾ひれが付いた話が職員室で蔓延していた。
処分まではされなかったが、この出来事から、俺たちは危ない奴等と先生から眼を付けられてしまったと思う。
中学の頃からの法螺の友達に、この話をすると、この系統の法螺の話はろくな結果にならないと忠告された。
確かにそうだと思った。
でも、俺は、法螺の霊の話を否定することまでは考えていなかった。
なぜなら、このとき俺は地下鉄での出来事を思い出していたからだ。
とにかく、法螺には危険を事前に予知する力があるのかも知れないとも考えた。
そう思った方が得策と考えたからだ。
事が起こってからでは遅いのだ。
法螺が階段を上がったから、女の子は階段から落ちなかった。
法螺が階段を上がらなかったとしても、女の子は階段から落ちなかったかもしれない。
でも、そういい切れるものでもない。
どちらにしても、実際には落ちなかったので良かったのだ。
最悪、法螺が助けに行かずに、女の子が階段から転げ落ちて、血みどろになってからでは遅いのだ。
法螺は悪意を持って行動するような奴ではない。
それに、法螺は、人の不幸を黙って見過ごす奴でもない。
俺は、この時、法螺の霊が見えると言う話をできるだけ信用してやろうと思った。
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