俺は、Tにおばばの葬式の時に会った赤い靴下の女の子の話をした。
Tは、俺に言った。
「 おそらく、同じ女の子だと思う。
お前も、約束したのか。
仲間だな。」
俺は、Sちゃんを考えながらTに言った。
「 もう、何年も経っているから、その女の子、物凄い美人になって
るかも知れへんで。」
「 お前、女の子やったら何でもいいのか。
おばばも伯父も死んでるんだよ。
僕は、蔵に行って捕まった最後の日の夜、本能的におばばの家に近
寄らない方がいいと思った。
だから、おばばや伯父の葬式にも行かなかった。
お前から、電話があった時、行かない方がいいと忠告してやっただ
ろ。」
「 おばばや伯父の死にも、その女の子は関連してんのか?」
「 僕の父は、実家の伯父とよく電話で連絡をとっていた。」
「 俺の所には、連絡なんてなかったわ。」
「 男同士で、色々相談してたんじゃないかな。
おばばは、夏の終わり頃から、物忘れが始まった。
そのうち、独り言を言うようになった。
それも、小さい子とお話をしているような言い方でね。
そして、ままごとを始めた。
僕は、この話を聞いて、おばばは、あの女の子と生活しているのだ
と思った。
おばばが死んで、次に伯父が何かを感付いたんだと思う。
伯父夫婦は、それでも、あの家で何年も暮らしていた。
伯父は、何か対策を立てたんだと思う。
蔵中に御札を貼るとかして、応急処置的なことをやったんだろう。」
「 でも、伯父は心不全で急死したで。」
「 そうだよ、蔵の中のあの部屋でだよ。」
「 そうやったんか。
それは、俺は知らんかったわ。」
「 僕の父は、蔵の整理をすると伯父が言って来た直後に、伯父が急
死して驚いていた。
僕は、死んだ場所を知って、あの箱を処分しようとしたんだと思った。
最後にひとり残った伯母は、あの家を去った。
伯母も、何か感付いていたんだろう。
あの女の子は、今、どうしてるんだろう。
俺たちは、あの女の子と遊ぶ約束をした。
お前の所には現れたか?」
「 いや、来てへん。」
「 僕の所にも来ていない。
僕は、あの女の子は蔵にいるんだと思う。
僕やお前が、家に帰るようにあの女の子も蔵に住んでるんだと思う。
蔵がある限り、蔵から離れない。」
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