私は、改めて髪に残っているシャンプーを洗い流しました。
洗い流しながら、考えました。
Kの話で、変な影響を受けているのかも知れない。
私は、もともと、霊感なんて信じてなかった。
でも、Kの話を聞いて、否定すればKの嘘に繋がります。
肯定すれば、これまでの私を否定することになるのです。
私は、Kの話を教師として信用しなければなりません。
生徒を信じてやることが、私の立場です。
今まで、気にならなかった事が、Kの話を信じたので、気になって来たのだろうと思いました。
私は、再び湯船に浸かり壁や天井を見回しました。
何の異常もありません。
私は、やっぱり気のせいだと思いました。
そろそろ風呂から出て、読書感想文の続きを読まなければなりません。
私は、湯船から洗い場に出ようとして、洗い場の床に眼が行きました。
「 えっ!」
そこには、私の髪より明らかに長い髪の毛が数本、湯船から流れたお湯に揺らめいていました。
「 いやっ!!」
私は、風呂を飛び出しました。
読書感想文は当分休憩です。
今日は、同僚の所に泊まります。
事情を話したら、泊めてもらえる事になったからです。
同僚に、鈍感だと言われました。
それに、良く今まで無事だったわねとも言われました。
そう言われると確かにそうです。
あのマンションに、半年近く住んでいたのです。
私は、Kの話しの中で、Kが父親に守られていた事を思い出しました。
私は、どうなのかなと思いました。
そして、一つ思い出した事があります。
私が、20才の時です。
気の早い私の母親が、私の縁談についてS神社に占いに行った事がありました。
その時、私は父方の曾祖父に守られていると言われたらしいのです。
今まで、ぜんぜん気にもしていませんでしたが、そうかもしれないと思えるようになりました。
もっとも、縁談は29才らしいのでまだまだらしいですけどね。
明日、駅前の不動産屋に行ってYマークの理由を白状させます。
同僚も付いて来てくれる事になりました。
そして、結論です。
「 取り憑かれないうちに、引っ越し、しようっと!!」
完了
読んで頂き有難うございました。
次回より、“蔵の箱”を始めます。
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