荷物を片付け終わって、改めて病室を見回した。
病室は、縦に長い四角形で、入り口と反対に窓があった。
ベッドは、入り口から見て右の壁に縦につけてあり、頭を窓、足を入り口に置かれていた。
入り口の右隅には、洗面の水道がある。
左側の壁に沿って、来客用の椅子が二つ、キャスター付きの物入れ棚、その上にテレビが置いてあった。
白い部屋なのに、何か暗く重い空気を感じた。
それは、俺の病院に対するイメージが、そう感じさせているのだと思った。
しばらくして、両親がやってきた。
明日から10日間ヨーロッパに旅行に行くようだ。
何時の間に決めたのか知らなかった。
家が空になるので、と言って鍵を一つ渡してくれた。
早く治ったときの用意らしい。
手を繋いで病室を出て行く両親を見て、こりゃ負けたなと思った。
Sさんに連れられて、主治医のところに行った。
かなり年寄りのじいちゃんだ。
90歳ぐらいに見えたが、実際は70歳ちょい超えたぐらいか。
言っている事が、もごもご不明瞭で良く分からない。
通訳がいるかと思ったが、理解した範囲で聞くことにした。
述べた内容を要約すると次のようだった。
「 弟子から聞いて病状は、分かっている。
いい薬があるから直ぐ治る。
最新の機械を入れたので、レントゲンを撮りなさい。」
これだけの内容を説明するのに、30分話を聞かされた。
主治医は、嬉しそうに喋っていた。
話の内容は、何処かで聞いた話と同じだ。
正真正銘、師匠と弟子だと思った。
何か、もっと恐ろしい病気をスーパー超能力で発見されそうで不安が膨れて
きた。
検査を受けて主治医から説明を受けた。
今度は、レントゲンの映像に、胸に確かに白いもやが映っていて納得した。
夕食時にSさんが、薬の袋を持ってきた。
俺は、高貴薬と書いてないか確かめてから薬を飲んだ。
高貴薬とは書いてなかった。
これは師匠の対応としては納得できなかったが、実際のところはホッとした。
Sさんは、テキパキと仕事をこなしていたが、時々フッと顔に疲れが見えた。
熱は、解熱剤を飲んだときは37度台、薬が切れると38度台に上がった。
やはり38度台では体がきつく、次の解熱剤が待ち遠しかった。
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